層状斑れい岩のマグマ性断層

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層状斑れい岩には完全に固結する前に生じた流動や変動を示す構造が観察されることがある,写真の優黒部はメラかんらん石斑れい岩,優白部は斜長石の多い斑れい岩で,中央部付近に左下から右上に向かって正断層様の構造が見られる.しかしその面は完全に癒着しており,右上でずれが小さくなり尖滅している.したがって,この「正断層」は層状斑れい岩が固結する前に生じたと考えられる.海嶺下のマグマ溜まり(大部分はクリスタルマッシュ状)では,海嶺軸と離れる方向へ引っ張られているので,こうした「正断層」が形成されるのは理にかなっている,オマーン北部ワジサダム.(宮下純夫)

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