南紀白浜の漁港沿いにある露頭で,水平層を貫き垂直に立っている巨木のような泥岩脈には驚かされる.地層は新第三紀中新世田辺層群上部の砂泥互層で,四万十帯付加体を覆う前弧海盆堆積体である.泥岩脈は液状化した泥質堆積物が上位の地層に貫入したものであるが,この近傍には大規模な泥ダイアピルも報告されており,前弧テクトニクスを考える上で興味深い.昭和6年(!)指定の国指定天然記念物になっており,説明看板も立っている.和歌山県白浜町白浜海岸.(川村信人)
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