十勝石(黒曜石)の巨石

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鹿追町の福原記念美術館の前庭に展示されている巨大な十勝石は、およそ200万年前の大雪山の噴火活動と同時期の網走管内白滝の雄柏山(1,147m)の山頂付近で採取されたもの.黒曜石はシリカ(珪酸)に富んだマグマが急冷されたガラス質の岩石で,微量の鉄鉱物を含むために漆黒色を呈する.やや乳白色を示す部分は,マグマの発泡孔を埋めた蛋白石(オパール)で,淡灰色の紋様やスポットは,脱ハリ作用を被って結晶化が進んだ部分と思われるが,マグマの粘性が高かったために,複雑に流動したことを示している.なお,大きな割れ目はその後に形成された断裂で,黒曜石が見事に角礫化しており,炭酸塩鉱物がその断裂を埋めている.2019年4月撮影.(宮下純夫)

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