第四紀花粉化石

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北海道江別市東野幌湿原で1997年8月にトーマス型手動掘削器による試料から抽出したもの.深さ 3 m からブナ(上)花粉と,深さ 10.2 m からコナラ亜属(下)花粉の光学顕微鏡写真.どちらも花粉の長径は約 30 μm(0.03 mm).縄文前期~中期(約6千年前)の小海退後の湿地に,まず羊歯植物,そしてコナラ亜属(おそらくミズナラ)が進出し,その後にブナが分布を拡大した.現在の石狩平野に自然のブナ林は無いとされているが,過去にはブナが存在し温暖な気候だったことが花粉分析の結果からわかる.花粉化石には地質時代を示す “示準性” はあまり無いが,寒冷化・温暖化といった気候変動の指標として有効なものである.(星野フサ)

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