- 理事長からのメッセージ -
2025年も2月の半ばとなりました.昨年2024年は世界平均気温が産業革命前よりも1.6度高い,観測史上最高気温を記録しました.
2025年1月は歴史的小雪になるかと思われましたが,2月に入ってからは,日本各地で大雪が報道されています.しかし,気温は全般に高めで,1月としての世界平均気温の記録を大幅に更新し,1.7度も高かったとのことです.炭酸ガス濃度の昨年の増加は3.5ppmで,これまた観測史上の新記録となりました.以上の状況を鑑みると,地球温暖化はさらに加速しつつあり,今後の動向に注視が必要で,こうした情報も大いに発信していきたいと考えています.
さて,北海道新聞に昨年開催された第16回公開講座「北海道2億年の成り立ち」を中心とする本センターの活動が掲載されました.その掲載日を中心に,本会のHPはかってない閲覧数の増加や,数名の方からのメルマガ配信希望が寄せられるなど,マスコミの影響力の大きさに驚きました.まだご覧になっていない方はHP(アウトリーチページ)に掲載されていますのでご覧ください.その結果,本会は会員数,メルマガ読者を合わせると100名に近づきつつあります.
本会のHPは,トップページにスライドが,またフォトギャラリーという欄も新設され,北海道や世界各地の岩石や地層,化石,景観などが掲載されています.本日も新たな写真がアップされていますので,皆様にはそれらの写真を楽しんでいただきたいものです.これらの欄は,北海道を始め世界各地の,地質学・地球科学的に意義ある写真を通じて,会員自身がそれらを楽しむと同時に,本センターの目的である社会への地質学・地球科学的情報発信の重要な欄となっています.
本会の総会は5月17日に開催が予定されていますが,当日は特別講演会も予定しています.昨年,日高山脈が国立公園となりましたので,日高山脈に関連した講演を企画しています.
総合地質題第8巻は会員以外からの寄稿1編も含めて,総説1編,論説2編の4編が受理・掲載され,昨年12月25日に刊行されました.購入希望の方には2千円にて販売していますので,オフィスアドレスまでお申し込みください.なお,総合地質第9巻の予定に関しては,別途ご連絡します.
最後に,第172回直木賞受賞作の「藍を継ぐ海」(伊与原 新)を紹介します.5編の短編集ですが,そのうち3編が地質学や隕石,被曝調査に携わった地球科学者が登場する作品で,隕石にまつわる作品は遠軽・白滝を舞台にしています.作者も地球科学の博士課程修了者という経歴で,ほか2編は日本狼や海亀に関する作品ですが,広く皆様に紹介したいストーリーです.ご一読をお勧めする次第です.
理事長 宮下純夫