北海道総合地質学研究センター 設立趣旨

北海道内外の大学や研究機関, 教育機関, 自治体, 企業などで地質学の研究・教育・実務に従事し, 退職の時期を迎えた私たちは, これまで行ってきた様々な創造的活動を今後も意欲的に継続したいという希望を持っています. また一方で, これまでに私たちが培ってきた地質学に関する専門性は, いわば永年の社会的な投資によって蓄積された公的財産であり, 可能な限り今後も社会的に活用されることが望ましいと私たちは考えています. 私たちはこの 2 つの目的を効果的に達成するために特定非営利活動法人 北海道総合地質学研究センターを設立しました. 地質学に関する創造的活動のための環境を用意し, その支援ならびに成果の発表・普及活動を行い, それによって純粋地質学から自然防災を含む応用的地質学など幅広い範囲におよぶ「総合地質学」の研究の推進とそれに基づく社会的貢献, 特に市民の地質学的知識の増進に貢献したいと考えています.


理事長挨拶

2022年5月より本センターの2代目理事長となりました.

2020年に始まったコロナパンデミックは3年目に入った現在もまだ先が見通せない状況が続いています.1日でも早くこのパンデミックが収束し,従来の様々な社会的活動が全面的に復活する日を待ち望んでいます.一方,2月24日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻は,気候変動や炭酸ガス排出削減にも間接的に重大な悪影響をもたらしています.気候変動による弊害は,熱波の到来や大規模洪水の頻発など,さらに深刻化しつつあります.日本列島では地震や火山噴火も重大な関心事です.本センターは主に退職した研究者や技術者などにより構成されていますが,こうした方々への居場所の提供に加えて,上記のような問題への社会的発信や啓発・普及活動に取り組んでいます.これまでに.道民カレッジの公開講座,野外観察会,研究セミナーや会員交流会,学術雑誌「総合地質」の発行,特別講演会などの活動を行ってきました.皆様とこうした場でお会いすることを楽しみにしております.

宮下純夫


北海道総合地質学研究センター 部門構成

北海道総合地質学研究センターは以下の部門を置いています.


01. 企画・運営部門(公開講座・会員交流会・野外観察会,運営全般)

02. 会計部門

03. 研究推進部門(輪読会,研究セミナー)

04. 「総合地質」編集・発行部門

05. IT部門

06. 広報部門(HP,ニュースレター,通信)


北海道総合地質学研究センター 役員リスト

北海道総合地質学研究センターの役員構成は以下の通りです.名前はアルファベット順です.


理事長
宮下純夫
副理事長
中川 充
専務理事(幹事)
石崎俊一 岡村 聡 嵯峨山 積
関根達夫
理 事
岩間唯史 川村信人 君波和雄
松田義章 宮坂省吾 岡 孝雄
高波鐵夫
監 事
在田一則 加藤孝幸
総合地質編集委員
君波和雄 松田義章 宮下純夫(委員長)
岡 孝雄(副委員長) 岡村 聡 田近 淳

北海道総合地質学研究センター 構成員(正会員のうち公表可とするもののみ, アルファベット順)

在田 一則 Arita, K.(シニア研究員・監事)

1965年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業, 1975年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1975 年から北海道大学理学部地質学鉱物学科(地球惑星科学科に名称変更)および大学院理学研究科地質学鉱物学専攻(理学研究科地球惑星科学専攻に名称変更)において研究と教育に従事, 2005年退職. 専門は地質学(変成岩岩石学, 構造地質学, テクトニクス, 同位体年代学). 衝突型造山帯(日高山脈, ネパールヒマラヤ)の岩石学, 構造地質学および上昇テクトニクス, 深部構造に関する研究などに従事. 現在, 北海道大学総合博物館ボランティア, 一般社団法人北海道自然保護協会会長.


合地 信生 Gouchi, N.(研究員)

1977年 金沢大学大学院理学研究科修士課程修了. 1977 年から斜里町教育委員会知床博物館等に勤務し, 学芸員として知床の火山活動の普及を行ってきた. 専門は変成岩岩石学であり, 神居古潭帯の高圧変成岩の形成を変成反応とテクトニクスから考察. 神居古潭帯の北方延長部であるサハリンの変成岩についても調査を行ない, 広い視野から高圧変成岩の形成過程を研究. また, 考古学と岩石学の境界研究として「縄文時代の石斧の流通」と「土器中のガラス分析から土器の焼成温度と粘土成分」についても調査・研究を行なっている.


石崎 俊一 Ishizaki, S.(研究員・専務理事)

1979年 新潟大学大学院理学研究科地質鉱物学専攻修士課程修了. 1990年 技術士(応用理学部門 地質) を取得. 1979–2014年 日本工営株式会社にて土木地質に関わるプロジェクトに参画, 主としてダム・トンネル・道路関連構造物等の基礎地盤に係わる地質解析・評価, 活断層および構造地質調査・解析, 水文・水資源の調査解析・評価, 気候変動に伴う海面上昇問題プロジェクト等に従事. 2010–2012 年は海外プロジェクトに参画, マダガスカルにてレアメタル関連鉱物資源調査・パキスタンにて鉄道再開発計画に関わる地質調査に従事. 現在, 同社嘱託.


岩間唯史 Iwama, T.(研究員)

小中学校で理科の指導をする中で,できるだけ子どもたちに実物に触れさせることと,地域の自然を生かした授業作りすることを心がけてきた.勤務した渡島管内の小中学校では,函館空港近くの岩脈・館層のケイソウ化石・瀬棚層の貝化石・函館市内の地震の揺れが場所により違うことなどを授業の中に取り入れてきた.現在,小樽市内の小学校に理科教員として勤務.


加藤 孝幸 Katoh, T.(シニア研究員・監事)

1982年, 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1986–1993年, ジオサイエンス(株) にて 分析室立ち上げ・温泉調査・土木地質調査等に従事. 1993年 アースサイエンス(株) を創立, 現在に至る. 研究テーマは, 蛇紋岩と付加体の構造, 地熱・温泉・土木地質に関わるフラクチャー系と熱水変質系, コンクリート劣化のメカニズム, 考古遺物の岩石学的視点からの供給源考察など.


川村 信人 Kawamura, M.(研究員・理事)

1975年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業, 1983年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1986 年から北海道大学理学部地質学鉱物学科(地球惑星科学科に名称変更) および大学院理学研究科地質学鉱物学専攻(理学研究院自然史科学専攻に名称変更) において研究と教育に従事, 2018年退職. 専門は地質学(地層学, 堆積学, テクトニクス). 日本列島の古期地質体(南部北上帯・根田茂帯) や中生代付加体と前弧海盆堆積体(渡島帯・空知-エゾ帯) の地層学・砕屑物組成・テクトニクスに関する研究に従事. また1996年の豊浜トンネル崩落事故以来, 北海道開発局が設置した北海道道路管理技術委員会をはじめとする道路防災・トンネル建設・自然災害に関する各種委員会・検討会で地質学分野の委員等を務めた.


君波 和雄 Kiminami, K.(シニア研究員・理事)

1977年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1979–2009年 山口大学理学部地質学鉱物科学科および大学院理工学研究科地球圏システム学科において研究と教育に従事. 専門は, 北海道や西南日本外帯の中生界の地域地質学, 堆積岩岩石学, テクトニクス. 主要な研究対象は北海道東部の根室帯, 北海道北部の日高帯, 四国・九州の四万十帯, 四国の三波川帯など.


松田 義章 Matsuda, Y.(研究員・理事)

2004年 北海道大学大学院地球環境科学研究科地圏環境科学専攻博士課程単位取得退学. 1977–2016年 小樽市および札幌市において, 小学校, 中学校, 高等学校の教員および北海道内の小・中・高等学校の理科担当教員の研究・研修機関である北海道立理科教育センター(現, 北海道立教育研究所付属理科教育センター) の地学研究室で, 教育と広義の地球科学および地学教育の研究・研修指導等に従事. 専門は地学教育と広義の地質学(地域地質学). 主に小樽地域–積丹半島の地質とその地域に分布する中新世–鮮新世の海底火山噴出物(水中火山岩類) の分類と産状, 平坦面溶岩の時間的・空間的変遷等の研究に従事.


宮坂 省吾 Miyasaka, S.(シニア研究員・理事)

1968年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業. 1987年「日高山脈の上昇史」で学位取得(理学博士). 明治コンサルタント株式会社に入社し, 北海道の地質コンサルタントとして活動. 2002–2013年 北海道大学・北海道教育大学で非常勤講師(主に自然災害論). 最近は手稲山地すべりや豊平川の洪水史・支笏湖苔の洞門の形成史など地域の自然史解明を目論んでいる.


宮下 純夫 Miyashita, S.(シニア研究員・理事長)

1970年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業, 1979年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1987–2013年 新潟大学にて教育・研究に従事. 2013年から 新潟大学名誉教授, 新潟大学自然科学系フェロー. 2003–2012年 日本地球掘削科学コンソーシアム理事, 2008–2012年 日本地質学会会長. 2013年から 日本地質学会125周年記念事業委員, 日本地質学会ジオパーク支援委員, 地質図 JIS 改正原案作成委員会委員長. 専門は岩石学・地質学(主に火成岩岩石学). 研究対象はオフィオライトおよび海洋地殻で, 日高山脈や北海道, オマーンなど.


中川 充 Nakagawa, M.(研究員・副理事長)

1988年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了, 理学博士. 1900–2017年 通産省工業技術院地質調査所/国立研究開発法人産業技術総合研究所に勤務. 専門は広義の地質学(岩石学, 鉱物鉱床学). 夕張岳や北海道中軸帯を中心にした地質図幅を編纂. フィリピン, インドネシア, パキスタンなど, 北海道を含む北東・東南・南アジア地域の蛇紋岩と白金族鉱物に関する研究などに従事.


岡 孝雄 Oka, T.(シニア研究員・理事)

1971年 北海道大学大学理学部地質学鉱物学科卒業, 1973年 北海道大学大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻修士課程中退, 博士(理学). 1973–2009年 北海道立地下資源調査所(現:道総研地質研究所) で 地質・地下資源の調査・研究業務. 2009年以降 アースサイエンス(株) および(株) 北海道技術コンサルタントにおいて地質コンサルタント業務に従事する. 専門は堆積岩・堆積物を扱う地質学(層位学) で, 特に北海道内の新生代末(新第三紀末–第四紀) の地層を対象とし, 地質図幅・市町村地質図調査, 十勝管内地質図編纂, 農地再編関連表層地質調査などをもとに「北海道の平野・盆地の成立過程」の解明にあたる. 応用地質面では地下水・温泉(深層熱水) 調査, 泉源観測, 各種ボーリング資料の収集・編纂, 平野地下構造・沖積層解析, 活断層調査, 遺跡周辺地形・地質調査道路路線調査などの実績を有し, 海外についてはサハリン・オーストラリア東部・ニュージーランド・台湾の地形・地質にも研究実績を有する.


岡村 聡 Okamura, S.(研究員・専務理事)

1984年 北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士後期課程単位取得退学, 理学博士. 1984–2018年 北海道教育大学札幌校にて教育・研究に従事. 2018年から北海道教育大学名誉教授, 北海道土質試験協同組合技術顧問. 専門は北西太平洋縁辺(北海道, 東北日本, ロシア沿海州, サハリン) の新生代火成岩の岩石学的研究で, 日本海やフォッサマグナの形成など日本列島の発達過程を解明してきた. さらに, 岩石鉱物学的視点から, 地質災害・歴史津波・考古学を対象とした研究に従事している.


嵯峨山 積 Sagayama, T.(研究員・専務理事)

1974年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業, 博士(理学). 2016年 北海道立総合研究機構地質研究所を退職. 専門は珪藻分析による堆積環境や地質層序の解明. 北海道内の新第三紀や更新統の層序研究や沿岸海域の地質調査などに従事し, 最近では勇払原野や石狩平野, 厚岸湾, 頓別平野の沖積層を研究している.


関根 達夫 Sekine, T.(シニア研究員・専務理事)

1970年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業. 1970–2008 年(株) 建設コンサルタント ドーコン地質部 に勤務し, ダムや路線の地質調査業務に従事. 2008–2011 年(株) キング設計に勤務. 2016年から(株) 北海道技術コンサルタントに勤務. 技術士 応用理学部門地質. 最近は 4万1千年前に支笏火砕流が豊平川を堰き止めて(仮称) 古藤野湖を形成したという仮説の検証を行っている.


高波 鐵夫 Takanami, T.(シニア研究員・理事)

1971年 北海道大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了, 理学博士. 1973年 北海道大学理学部助手. 2009年3月 北海道大学大学院理学研究科准教授退職. 2009年5月 ワシントン・カーネギー研究所客員研究員(–現在). 2011年4月 東京大学地震研究所客員教授. 2013年7月 地震予知総合研究振興会本部副主席主任研究員. 2014年4月 大学共同研究機関法人情報システム研究機構・統計数理研究所外来研究員. 主な研究は 日本及び, 北海道の地震活動調査, 南極エレバス火山の地震活動調査, インドネシア・ジャワ島の地震活動調査, 日本内陸及び, その近海の地殻構造探査, 北大西洋・ノルエー沖〜アイスランド沖の海底地殻構造探査, カリブ海・グアドループ島近海の海底地殻構造探査, 体積歪み解析法の開発, 地震波の自動判定法の開発など.



「研究センター概要」コンテンツ

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部門構成    役職リスト

構成員紹介


北海道総合地質学研究センターについて

2016年に地質学関係のさまざまな分野に携わってきたシニアたちによって設立された当センターは, それまで地質学の分野で行ってきたさまざまな創造的活動をこれからも意欲的に継続したいというメンバーの希望をかなえる舞台です.また一方で,これまでに培ってきた地質学に関する専門性を活用し,今後も社会的な役割を果たし,私たちを育ててくれた社会への恩返しをするための舞台になることを目指しています.いわゆる「人生100年時代」におけるシニアたちのアクティブな生き方の試みでもあります.一方で,積極的に院生・学生会員も受け入れており,地質学の後継者の育成にも役立ちたいと考えています.
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