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最新情報:2018/09/19 更新

[2018/09/19 追加] 2018/09/18に石狩沖積低地研究会が公開した 2018年北海道胆振東部地震関係:厚真町管内地形・地質状況緊急調査の報告 (調査 2018 年9月13日) を 平成30年北海道胆振東部地震の地質学・地球物理学 掲載 しました.

岡 孝雄 (当研究センターシニア研究員)・関根達夫 (当研究センターシニア研究員)・山崎芳樹 (当研究センター研究員) ら 石狩沖積低地研究会 による 厚真町管内での地形・地質状況緊急調査の報告で, 今回の平成30年北海道胆振東部地震によって新たに出現した活断層や崩壊の報告を含む.


[2018/09/19 追加] 関連文献の紹介:山岸宏光(当研究センターシニア研究員) によると, 今回の平成30年北海道胆振東部地震の被害は 2004年10月に発生した新潟県中越沖地震の際の被害と良く類似しており, 後者を扱った以下の論文は重要な示唆を与えるものと考えられる.

Yamagishi, H. and Iwahashi, J. (2007) Comparison between the two triggered landslides in Mid-Niigata, Japan by July 13 heavy rainfall and October 23 intensive earthquakes in 2004. Landslides, Vol. 4, 389–397. [link]

山岸宏光・斉藤正弥・岩橋純子 (2008) 新潟県出雲崎地域における豪雨による斜面崩壊の特徴 -GISによる2004年7月豪雨崩壊と過去の崩壊の比較-. 日本地すべり学会誌, 45巻 1 号, 57–63 頁. [PDF link]

佐藤 浩・小荒井 衛・宇根 寛・岩橋純子・宮原 伐折羅・山岸宏光 (2007) 平成19年(2007年)新潟県中越沖地震による斜面崩壊の地形的特徴のGIS解析. 国土地理院時報, 2008 114集, 91–102 頁. [PDF link]

Iwahashi, J., Kamiya, I., and Yamagishi, H. (2012) High-resolution DEMs in the study of rainfall- and earthquake-induced landslides: Use of a variable window size method in digital terrain analysis. Geomorphology, Vol. 153–154, 29–38. [link]

山岸宏光・土志田 正二・畑本雅彦 (2016) 最近の豪雨崩壊および既往の地すべりにおける地形・地質要因のGIS解析. 地すべり学会誌, 52巻 6号, 282–292 頁. [PDF link]


[2018/09/17 追加] 関連文献の紹介:田近 淳・大津 直・乾 哲也 (2016) 成層した降下火砕堆積物からなる地すべり移動体の内部構造と形成過程:石狩低地東縁, 厚幌1遺跡の例. 地質学雑誌, 122 巻 1 号, 23–35 頁. [PDF link] .

この論文の著者である田近 (当研究センター会員) によると, 厚真町の厚幌1遺跡の約4000年前の地すべりが, 今回の胆振東部地震によって発生した地すべりと極めて類似するメカニズムによって発生しており, またその年代が石狩低地東縁断層帯馬追断層の最新活動期と重なる. 今回の地震とその災害を検討する上で重要な論文であると考えられる.


[2018/09/13 追加] 北海道新聞 9月13日朝刊に, 当研究センターシニア研究員 岡 孝雄 のコメントに基づく「厚真周辺活断層か:研究者 少なくても4カ所」というタイトルの 記事 が掲載されました.

記事の概略は以下の通り:厚真では これまで未確認であった断層が少なくても 4 カ所存在する可能性が岡らの調査で判明. 岡は, 今回の地震の震源は約 37 km と 大変深いので, 地表で観察されるこれらの断層と震源との直接の関連は考えにくく, 周辺で地震が繰り返されたことによって地表部の地層が変形した "副次的活断層" の可能性を指摘. 今回の地震と「石狩低地東縁断層帯」との関連も政府地震調査委員会で見直されており, 岡は「地表に現れ,詳しく調査されている活断層はごく一部で, 多くは見過ごされている. 活断層は身近に存在すると再認識する必要がある」と指摘.


[2018/09/13 追加] フォーラム のページに 平成30年北海道胆振東部地震:一年金生活者の地震体験記 (川村信人) を掲載しました.


平成30年北海道胆振東部地震とそれに伴う災害に関する情報リンク

平成30年北海道胆振東部地震とそれに伴う災害に関する情報源を掲載します. 有益な情報源の提供をお待ちしております. office@hrcg.jp あてにお知らせ下さい.

[2018/09/17 追加]:日本地すべり学会北海道支部調査班 (田近 淳・永田秀尚・雨宮和夫), 胆振東部地震現地調査速報:厚真町桜丘 (2018/09/09) [PDF link]
[2018/09/17 追加]:道総研 地質研究所, 調査速報 No.1, 田近 淳・永田秀尚・雨宮和夫, 平成30年北海道胆振東部地震に伴う新冠泥火山の変動 (速報) (2018/09/10) [PDF link]

東京大学地震研究所:平成30年北海道胆振東部地震【研究速報】.東京大学地震研究所による平成30年北海道胆振東部地震についての情報 (更新中) [link]
地震調査研究推進本部:平成30年北海道胆振東部地震に関する情報/平成30年北海道胆振東部地震の評価 (平成30年9月11日公表)[PDF link]
地震調査研究推進本部:平成30年北海道胆振東部地震に関する情報/平成30年北海道胆振東部地震の評価 (平成30年9月6日公表)[PDF link]

日本活断層学会:岡孝雄会員(NPO北海道総合地質学研究センター)舞鶴遊水地・厚幌ダム周辺地質見学会資料(抜粋)・・・厚真川流域の地形・地質について紹介されています [PDF link]
USGS (米国地質調査所):M 6.6 - 27km E of Tomakomai, Japan.日本国内のサイトにおける情報以上のものはないが,グローバルに発信されている情報を見ることができ,自身の経験を Felt Report に反映できる.ベータページには斜面災害の情報もある [link]

国土交通省 気象庁:平成30年北海道胆振東部地震の関連情報(現地調査報告あり) [link]
国土交通省 国土地理院:平成30年 (2018年) 北海道胆振東部地震に関する情報.空中写真・デジタル地形図・干渉SARによる地殻変動解析結果など [link]
国土交通省:平成30年北海道胆振東部地震.報道発表資料・被害状況報など [link]
国土交通省 砂防部:平成30年北海道胆振東部地震の対応状況 [link]
国土交通省 北海道開発局:平成30年北海道胆振東部地震に伴う災害対応状況 [link]
地震調査研究推進本部:平成30年北海道胆振東部地震に関する情報.地震の包括的な評価を掲載 [link]
防災科学技術研究所:平成30年北海道胆振東部地震 クライシスレスポンスサイト.府省庁防災情報共有システム(SIP4D)に収集された各種の情報を掲載 [link]
産業技術総合研究所 地質調査総合センター:平成30年北海道胆振東部地震の関連情報.おもに地質の観点から活断層や地盤災害に関する情報を掲載 [link]

国際航業株式会社:平成30年北海道胆振東部地震.空中写真や地表変状に関するデータを掲載 [link]
アジア航測株式会社:「平成30年北海道胆振東部地震」被害状況(2018年9月6日)厚真町斜面災害現場の斜め空中写真を多数掲載 [link]
株式会社パスコ:2018年9月 平成30年北海道胆振東部地震災害.多数の空中写真とALOS-2による衛星画像やその解析結果を掲載 [link]
朝日航洋株式会社:平成30年北海道胆振東部地震の航空写真.厚真町斜面災害現場の空中写真を掲載 [link]

北海道 総務政策部:平成30年北海道胆振東部地震に関する情報.行政上の観点からの各種情報を掲載.ボランティア活動に関する情報も [link]
北海道 総務部危機対策課:平成30年北海道胆振東部地震による被害状況等に関するお知らせ [link]
北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部 地質研究所:「平成30年北海道胆振東部地震」への地質研究所の対応について(随時、更新) [link]

日本活断層学会:2018年9月6日に発生した平成30年北海道胆振東部地震(Mj6.7).主にリンク集で,9/11現在具体的な情報は掲載されていない [link]
国土交通省:北海道勇払郡厚真町日高幌内川で発生した河道閉塞について (9月9日時点). 日高幌内川の右岸側の長さ約 1,000m, 幅約 500m にわたる尾根部が, 地震により約 500m 滑動し, 河川を閉塞 [PDF link]

平成30年北海道胆振東部地震の地質学・地球物理学

[2018/09/19 追加] 石狩沖積低地研究会 (調査・報告:岡 孝雄・米道 博・関根達夫・山崎芳樹・近藤 務・若松幹男, 協力:乾 哲也, 調査同行:太田勝一), 2018年北海道胆振東部地震関係:厚真町管内地形・地質状況緊急調査の報告 (調査 2018 年9月13日). [2018年9月18日公開] [PDF link]

この報告のまとめは以下の通り.
① 低地・台地(T2面)では埋設水路管のコーナー部などでの地震動にともなう破断(または分離)による陥没や噴砂などの現象, 地形変換部での路盤上の亀裂, 路肩沿いの亀裂, 橋梁への道路連結部での段差の発生など, 人工物に関連した現象は多くみとめられたが, 活断層またはリニアメントに沿う, 断層活動に直接起因する変状は認められなかった.
② 富里西方活断層露頭(地点11)では新たな活断層露頭が今回の地震により出現した. その観察から, この活断層(N8°W方向のリニアメントに一致)は, 東落ち高角度の階段状断層で, Ta-d(9,000年前頃降灰)基底面の総計の落差(オフセット)は約 5 mである. Ta-c(3,000年前頃同)も変位を受けるが, Ta-b(1667年同)は地形なりに断層を覆っており, 切られていない. よって, 9,000年前以降2回以上の断層活動があった推定される. 新活断層露頭は今回の地震で滑落崖の役割を果たし, 前面には地すべり性地割れ・ブロック群が存在し, リニアメントに沿って北へ延長すると, 崩壊が発生しており注目される. 活断層であることが明瞭となったことから,「吉野断層」という固有名をつけて今後取り扱う. 北方延長部を含めて今後の精査が必要である.
③ 活断層関連で地点 1, 2, 5, 11 および地点 10 付近で地震にともなう崩壊現象を観察できた. 地震後撮影の空中写真の判読を含めて判断すると, 大部分のものは, 斜面を覆う堆積物が瞬時の大きな地震動(最大深度 7)で不安定となり堆積物が上を覆う樹木毎ブロック状に崩壊し, 地すべり的に流動したものである.
④ 崩壊対象の斜面堆積物は火山灰(Ta-d・Ta-c・Ta-b)と, それらの前後のローム層, 腐植土層がサンドイッチ状に重なったものであり, 1 万年近い時間経過で堆積したものである. T4 面(中位段丘 3 面)および T5 面(高位段丘面)では, このような時間経過の堆積物の下位に5~1万年前間の火山灰(Kt-1・Spfa-1・En-a)とそれらの前後のローム層, 腐植土層が重なった堆積物がともなわれており, それらを含めて, 段丘末端崖で崩壊に巻き込まれた事例もある.
⑤ 富里北東部で認められた崩壊・地すべりは, A:平滑斜面での崩壊, B:落差のある沢斜面のほぼ全体に崩壊が発生し谷底に長い舌状体が形成, C:沢奥での発生がなく谷底に長い舌状体形成されない, D:平滑斜面とスプーン状浅谷での瀑布状の崩壊などが認められた. このように, 今回の地震で発生した膨大な数の崩壊地形は様々なタイプが認められ, それらは今後調査・検討が行なわれるであろう.
⑥ 石狩沖積低地研究会2012年~2017年の6年間, 厚真川流域で, 既存地質資料の入手・解析と共に, 河川改修関連のボーリングコアの解析(下流域), ピートサンプラーによるコア採取とその分析および既存露頭の観察(中流域), ダム建設関連の露頭・遺跡発掘での地質観察(上流域)などを行い, 沖積層や過去6万年前以降の段丘堆積物の検討を行ってきた. 上流域の厚幌ダム地域の調査・地形解析では, 現氾濫原面, 段丘面(9,000年前頃以降形成のT0~T2面)上に, 小扇状地(いわゆる沖積錐)が多数存在するのを確認しているが, それらは, 流水の作用だけでなく, 今回のような地震による崩壊に起因があるものが存在する可能性がある. それにしても, 大量に樹木を含むような堆積物は今のところ確認はされていない. もしそのような堆積物が存在しないとすれば, 今回のような崩壊現象は過去1万年間にも生じていないことになるが, はたしてどうであろうか. そのような視点での調査・検討も必要であろう.
⑦ 斜面や台地末端での崩壊に関わって, 今後, 斜面や河岸段丘面(台地)の区分や, 関連堆積物の構成が問題となる. 厚真川上流域については, 厚幌ダム地域での遺跡発掘に関連して, 地形面分布と地形面毎の堆積物の内容が体系的に明らかにされている. 中流域でのそのような把握の参考になると思われるが, それについては, 次回の報告で示したい.


平成30年北海道胆振東部地震 地学的被害レポート

広く市民の皆さまから提供していただいた 土砂崩れ, 道路の地割れ, 道路の陥没, 墓石の倒壊など, 身近なところで観察された地震による地学的被害状況のレポートを掲載し, 記録に残したいと思います. 観察地点の位置を示した地図, あるいは緯度・経度 (スマートフォンの地図アプリなどでわかります) を添えて, 数枚以下の写真ファイルとともに簡単な説明文を office@hrcg.jp までお寄せください. なお, 掲載の可否は HRCG で決定させていただきますのでご了承ください.

今後, 準備ができ次第掲載の予定です.


平成30年北海道胆振東部地震特設ページ開設にあたって (2018年9月13日)

2018年9月6日午前 3時 8分, 北海道は胆振地方を震源とする極めて強い地震 (平成30年北海道胆振東部地震) にみまわれ, 大変深刻な災害を被りました. 北海道総合地質学研究センター構成員一同, 不幸にしてなくなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに, 被害を受けられた多くの方々に心からお見舞い申し上げます.

北海道総合地質学研究センターは地質学の専門家を含む集団ですので, 今回の地震とその災害に関する有益な情報を発信したいと考え, 平成30年北海道胆振東部地震特設ページを開設いたしました. なお,この特設ページに掲載された署名付きの文章は執筆者個人の知的所有権に属し, もちろん執筆者の個人的な見解であり, 特定非営利活動法人 北海道総合地質学研究センターの見解ではございません. この特設ページに関する ご意見・ご要望がございましたら office@hrcg.jp までお寄せください.


平成30年北海道胆振東部地震特設ページ コンテンツ

平成30年北海道胆振東部地震とそれに伴う災害に関する情報リンク


平成30年北海道胆振東部地震の地質学・地球物理学


平成30年北海道胆振東部地震 地学的被害レポート


北海道総合地質学研究センターについて

特定非営利活動法人 北海道総合地質学研究センターは, 大学や研究機関, 教育機関, 自治体, 企業などで地質学の研究・教育・実務に従事し, 退職の時期を迎えたものたちと迎えつつあるものたちによって 2016 年 3 月 1 日に設立されました.


北海道総合地質学研究センターは, それまで行ってきた様々な創造的活動を退職後も意欲的に継続したいという私たちの希望をかなえる舞台に, また一方で, これまでに培ってきた地質学に関する専門性を活用し, 今後も社会的な役割を果たし, 私たちを育ててくれた社会への恩返しをするための舞台になることを目指しています. いわば, 退職地質屋の, 退職地質屋による, 退職地質屋 (と, もちろん, 我々の社会) のための (of the retired geologists, by the retired geologists, for the retired geologists and our community) 研究センターです. 所謂「人生100年時代」における退職者のアクティブな生き方の試みでもあります. 一方で, 積極的に院生・学生会員を受け入れており, 地質学の後継者の育成にも役立ちたいと考えています.


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